この組み合わせを知る人はほとんどいません。White Labelアドオンはメールプランに制限されないため、Agencyと同じように無料プランにも追加できます。無料プランのホワイトラベルでは、所有する10ドメインに個別のブランドを設定し、すでにお持ちのリレー経由でメールを送信できます。プラットフォームへの支払いは合計で月額$39です。
これは抜け道ではなく、アドオン本来の仕組みです。メールプランが容量を決め、その上にアドオンでブランドを追加します。ここでは、この組み合わせで実際に何ができるのか、適否を決める3つの制限とともに説明します。
3つの構成要素
無料プランのホワイトラベルは、一般的な3つの要素を組み合わせたものです。個別には珍しくありませんが、この組み合わせはほとんど紹介されていません。
無料メールプランでは、所有する10ドメインにそれぞれ最大10メールボックスを作成でき、IMAP、POP、CalDAV、CardDAV、キャッチオール、メールボックスごとの2要素認証、他社からの移行を利用できます。料金はかからず、受信機能も通常どおり使えます。全体像は10ドメイン対応の無料プランでご確認ください。
独自のSMTPプロファイルで、無料プランにない送信機能を補います。プラットフォームからの送信は有料プラン限定ですが、自分で管理するリレーの接続はプランを問いません。その場合、到達率に関するリスクを自分で負うからです。ドメインごとに別のプロファイルを指定できます。詳しくはドメインごとのカスタムSMTPをご覧ください。
White Label Liteは月額$39または年額$389で、ウェブメールと管理画面にロゴ、色、ファビコン、サポート窓口、ウェブアドレスを表示します。ブランディングはドメインごとに設定するため、1契約で1ブランドではなく10の異なるブランドを展開できます。
3つを組み合わせれば、複数ドメインに対応し、ブランドを掲げて送信もできる一通りのメール運用環境が整います。プラットフォームに支払う継続料金はアドオンだけです。
この組み合わせが向いている事業
無料プランのホワイトラベルが合う事業には4つの形があります。費用計算以外に大きな共通点はありません。
製品にメールを組み込むSaaS。顧客はあなたのドメインのアドレスとブランド付き画面を利用し、誰がメール基盤を運用しているかを意識しません。1ブランド、1ドメイン、少数のメールボックスなら、無料枠に十分収まります。
複数の屋号を持つコンサルタント。異なる事業名、顧客、ブランドを1つのログインで管理できます。このような使い方なら、10ドメインを使い切る方は多くありません。
本格投資の前に再販事業を試したい方。実在する3社の顧客ドメインを、それぞれのブランドで運用できます。まだ販売していないメール容量に料金を払う前に、事業モデルが成り立つかを確認できます。
メールボックス数は少なく、ブランド要件が厳しい代理店。5社の顧客に2アドレスずつ提供するなら、合計は10メールボックスです。有料プランにしても、使わない容量を買うことになります。
本当の制限はストレージ上限
全10ドメインのすべてのメールボックスで、5GBを共有します。1メールボックスにつき5GBではなく、合計5GBです。
無料プランのホワイトラベルが使えるかどうかは、この数字ですぐ決まります。10個のメールボックスが平均500 MBずつ使えば満杯です。写真を頻繁にメールする顧客1社だけで埋まることもあります。たまに連絡を受けるだけのアドレスなら数年使えますが、添付ファイルを扱う日常業務の受信トレイでは、長くても数か月です。
対処法は2つあります。大きなファイルは添付せずリンクで共有して、メールボックスを小さく保ちます。これなら「送信済み」フォルダーにファイルが重複することもありません。または、月額$3.20からのDriveアドオンを追加します。メールプランを変更せずに上限を引き上げられ、White Labelの利用中は現行のDrive各プランが10%割引になります。
率直に言えば、この組み合わせは横に広く、縦に浅い環境に向いています。ドメイン数が多く、メールボックス数と通信量は少ない運用です。大量の保存容量を必要とする環境には向きません。
無料プランで使えないその他の機能
最初に制約となるのはストレージですが、無料プランにWhite Labelを追加しても使えない機能がほかにもあります。どれも実際に見落とされてきた点です。
- エイリアスなし。少ないのではなく、1つもありません。すべてのアドレスに実体のあるメールボックスが必要なので、ドメインごとの上限10個をすぐに消費します。
- 転送なし。外部アドレスへの転送も、メールボックスを持たない転送専用アドレスも利用できません。同じドメインのメールボックスへキャッチオールで集約することが、唯一の振り分け方法です。
- フィルターと自動返信なし。サーバー側の振り分けは、2段階上のProから利用できます。
- 共有メールボックスなし。各メールボックスの所有者は1人です。ログイン情報を共有しない限り、顧客のチームで同じアドレスを使うことはできません。
- 問い合わせ対応ではなくドキュメント。サポートの水準はアドオンではなくメールプランに従います。White Labelに$39を支払っても、無料メールプランにチケットサポートは付きません。
最後の点は特に重要です。ブランドを掲げ、メールを送信し、顧客からはメール事業者に見えます。それでも問題が起きたとき、頼れるのはドキュメントだけで、問い合わせ窓口はありません。
設定に必要なもの
無料プランでホワイトラベルを設定するには、契約以外に3つのものが必要です。そのうち1つが導入の壁になりがちです。
ブランド用のウェブ画面にはルートドメインではなくサブドメインを使うため、まずアカウントにドメインを追加します。たとえばmail.yourbrand.comとdashboard.yourbrand.comです。また、DNS事業者でCNAMEを追加できる必要があります。DNS管理が制限された一体型ホスティングサービスでは、ここが現実的な障害になります。さらに、自分で用意し、別途料金を支払うSMTPリレーも必要です。
費用計算で見落とされやすいのが、このリレー料金です。無料プランのWhite Labelは当社への$39に加え、送信経路の費用がかかります。すでに利用中のサービスに含まれていれば追加料金がかからないことも多く、含まれていなければアドオンより高くなる場合もあります。
1契約で10ブランド
初めの印象以上に魅力的なのは、ブランディングがドメイン単位で設定できる点です。各ドメインで、アカウントの標準設定を引き継ぐ、独自ブランドを使う、ブランドを表示しない、のいずれかを選べます。
そのため、$39の1契約でまったく異なる10社を展開できます。ロゴ、配色、サポート窓口、ブランドURLも別々です。3つの事業を運営するコンサルタントや5社を担当する小規模な再販事業者なら、5契約ではなく1契約で済みます。
ブランドごとに請求主体を分け、個別の請求書と支払い記録が必要になったときにだけ、アカウントを分けます。すべて自社の支払いなら、1つのアカウントにまとめられます。
別のプランへ移るタイミング
次の3つは、無料プランのホワイトラベルが土台として合わなくなったサインです。
通常はストレージ不足が最初に現れます。5GBを意識せず使うのではなく、やりくりし始めたら、Driveを追加するか上位プランへ移ります。本当に必要なのが容量だけなら、Driveのほうが安価です。
2つ目は、エイリアスや共有メールボックスが必要になったときです。これは徐々に苦しくなる制限ではなく、明確な境界です。月額$4のStarterなら両方を利用でき、合計額もほとんど増えません。
3つ目は、送信の運用も任せたくなったときです。独自リレーは、自分で運用したい間は問題ありません。負担に感じるようになったら、有料プランのプラットフォームSMTPを使うことで、管理対象を1つ減らせます。
注目すべきは、3つの限界がいずれもかなり先にあることです。無料プランのホワイトラベルは、人為的なプラン制限ではなく、実際の利用量が制約になる段階まで本物の事業を支えます。その先へ進む費用は月額$4です。