自動返信は、ほとんどの人が使いながら、ほとんどの人が慎重に設定していない自動化機能です。その結果、返信ループやメーリングリストへの大量配信、ときには自宅が二週間空くことを公に知らせる事態が起こります。
この仕組みは、見た目より古く、独特です。自分で送るメッセージではなく、メールサーバー上で動かしたままにするルールです。サーバーは、利用者がその動作を確認できない不在中にも、見たことのない相手へ利用者に代わってメッセージを送ります。オンにする前に五分ほど考える価値があります。
適切な自動返信に書くべき内容、決して書くべきではない内容、そしてサポート案件になるのを防ぐ三つの設定を説明します。
自動返信の本当の仕組み
自動返信とは、受信メールを監視して、あらかじめ作成した返答を送るサーバー側のルールです。メールアプリではなく、サーバーで配信時に実行されます。この性質が便利さを生みます。空港でノートパソコンを電源を切ったままバッグに入れていても、メッセージの到着から数秒以内に返信が送られます。
内部では、Sieve の vacation 拡張が使われ、RFC 5230 として標準化されています。この仕様は短く、その大部分が自動返信で起こり得る問題を扱っています。実環境におけるこの機能の性質がうかがえます。
同じ配信時実行の仕組みが、サーバー側メールフィルターも動かしています。自動返信は、処理内容がたまたま「このメッセージを送り返す」であるフィルターです。
ループの問題とその解決方法
二人が自動返信を設定します。一方がもう一方にメールを送ります。相手のサーバーが自動的に返信します。最初の人のサーバーは受信メッセージを見て、自動的に返信します。相手のサーバーがそれを見て、また返信します。
制御しなければ、キューがいっぱいになるか、管理者が気づくまで続きます。この機能の典型的な障害であり、適切な実装に三つの防御策がある理由です。
期間ごとに各送信者へ一度だけ返信する。サーバーは返信済みの相手を記録し、設定された日数の間は同じ相手に再度返信しません。不在中に同僚が六通メールを送っても、自動返信は六通ではなく一通だけです。こちらの方が礼儀にもかなっています。
自動メッセージには返信しない。一斉送信メールやシステムメールには、自動送信であることを示すヘッダーがあります。そのヘッダーを尊重するルールは別の自動メールに返信できないため、最初の段階でループを断ち切れます。
バウンスメールには返信しない。バウンスメールはエンベロープ送信者が空で届きます。これは慣例上、「このメールに返信しない」という意味です。返信しても誰にも届かず、条件が悪ければ、バウンスの送信元として偽装された相手へ届きます。
利用者がこれらを設定する必要はありません。ただし、存在を知っておく価値はあります。予想より少ないメッセージにしか応答しない理由を説明するものであり、それは機能が正しく働いている状態です。
メーリングリストには返信しない
常に有効にしておくべき設定は、メーリングリストと自動メッセージには返信しないです。
無効にすると、次のようなことが起こります。四百人が参加する業界のメーリングリストを購読しているとします。誰かが投稿するとルールが動作し、リストのアドレスへ返信します。四百人が「15 日まで不在です」というメッセージを受け取ります。他にも二人の購読者が単純な自動返信を動かしていれば、リストがしばらく自らメールトラフィックを発生させます。
これは専門コミュニティからひっそり購読解除されることで知られる行為であり、大規模なリストでは毎年何度か発生します。この設定には費用がかからず、一連の問題を防ぎます。
リスト用ソフトウェアが追加する List-Id、Precedence: bulk、Auto-Submitted というヘッダーを調べ、見つけた場合は返信しない仕組みです。ニュースレター、領収書、アラート、通知への返信も抑止します。どれも不在を知らされても役立たないためです。
役に立つ返信の書き方
役に立つメッセージは、送信者が本当に知りたい三つの質問に答えます。不在なのか、いつまでなのか、代わりに誰へ連絡すべきかです。
良い例:
四月 15 日まで不在で、メールへのアクセスは限定的です。緊急の場合は sara@example.com で Sara にご連絡ください。それ以外は戻り次第返信します。
四つの要素がこの文面を機能させています。戻る日を示すため、送信者は待つべきか判断できます。代わりの連絡先をアドレスとともに示すため、すぐに行動できます。「確認します」と約束するのではなく「アクセスは限定的」として、期待を正直に設定しています。そして、スマートフォンのロック画面でも読める短さです。
次は、実際によく書かれる文面です:
メールをありがとうございます。現在不在にしており、戻り次第メッセージに返信いたします。お待ちいただきありがとうございます。
日付も、代わりの連絡先も、情報もありません。送信者が知っている内容は以前とまったく同じで、受信トレイのメッセージが一通増えただけです。
実用上の注意点もあります。期間ではなく日付を書いてください。「四月 15 日まで」の方が「二週間」より適切です。読者には自動返信がいつ作成されたのか分からないためです。実際に依頼した同僚だけを記載してください。自動返信によって初めて、自分が緊急連絡先に指名されていたと知るのは、非常に迷惑です。ときどきメールを読む予定なら、それも書いてください。沈黙を約束してから破ると、どちらかを明確に選ぶ場合より相手を混乱させます。
書いてはいけない情報
自動返信は、行動予定を知らせたくない相手も含め、メールを送ってきた全員に応答します。誰が読むのか分からないまま送ることになるメッセージです。
そのため、具体的な内容は省きます。「15 日まで不在です」なら問題ありませんが、「15 日までポルトガルにいて、16 日にオフィスへ戻ります」と書けば、家が空であることとその期間を見知らぬ相手に伝えます。ソーシャルエンジニアリング攻撃では、不在情報が日常的に使われます。財務責任者に一週間連絡できないという情報は、不正な支払い依頼が必要とする格好の機会であり、自動返信がそれを無償で提供します。
同僚の携帯電話への直通番号も公開しないでください。個人ではなく、support@ や accounts@ のような役割アドレスを掲載し、エイリアスで振り分けます。担当者が変わっても同じ自動返信が機能し続けます。
共有メールボックスや役割メールボックスでは注意が必要です。info@ で動かしたままにすると、問い合わせを送ったすべての見込み客に返信します。意図どおりの場合もあれば、誰も業務を見ていないと公に伝える結果になる場合もあります。
設定方法
- ダッシュボードでメールボックスを開き、対象のメールボックスを選びます。
- 設定を開いてから、自動返信タブを選びます。
- 自動返信を有効にするをオンにします。
- 返信の件名を設定します。「四月 15 日まで不在」の方が「自動返信」より適切です。メッセージを開かなくても一覧で内容を確認できるためです。
- メッセージを書きます。
- 開始日と終了日を設定します。空欄にすると、手動でオフにするまで動き続けます。そのため、十一月になっても休暇中だと顧客へ伝え続ける人がいます。
- メーリングリストと自動メッセージには返信しないをオンのままにします。
- 保存します。
日付選択欄では、各フィールドの横に現在のタイムゾーンが表示されます。別の場所から事前に日付を設定する場合、見た目以上に重要です。これはカレンダーのタイムゾーンで説明している混乱と同じ種類です。ゾーンが付いていない時計上の時刻は、読む人によって異なる意味になります。
自動返信は Starter プラン以上で利用できます。詳しい手順は、休暇中の自動返信ガイドをご覧ください。
休暇以外の用途
誰も担当していないメールボックス。ウェブサイトにまだ掲載されていても、監視されなくなったアドレスは、その事実を伝えるべきです。無言でメッセージをため込むべきではありません。正しいアドレスを示す自動返信は、問い合わせをのみ込むメールボックスより誠実です。
退職した人。後任者を示す自動返信と、引き継いだ人への転送を組み合わせます。送信者は記録を更新でき、その間も何も失われません。順序が重要です。何かを削除する前に両方を設定してください。削除されたメールボックスは直ちにメールを受信しなくなるためです。
非常勤での確認。「この受信トレイは火曜日と木曜日に確認します」と伝えれば、現実的な期待を設定し、催促を減らせます。
育児休暇や長期不在。休暇メッセージと同じ形式で、期間を長くし、実際に了承している代理担当者を明記します。
よくある質問
パソコンの電源が切れていても自動返信は機能しますか?
はい。配信時にサーバー上で実行されるため、利用者の端末がオンか、アプリが開いているかに関係なく、数秒以内に返信が送られます。
同じ相手からメールが届くたびに返信しますか?
いいえ。サーバーは返信済みの相手を記録し、設定された期間内には再度返信しません。六通送った同僚にも、返信は一通だけです。
ニュースレターやメーリングリストにも返信しますか?
メーリングリスト向け設定を有効にしていれば返信しません。これは既定で有効であり、そのままにしてください。リストへ返信すると、不在メッセージが全購読者に送られます。
二つの自動返信がループすることはありますか?
標準的な防御策が設定されていれば起こりません。自動メッセージはヘッダーで識別され、そのヘッダーを尊重するルールは別の自動メッセージに返信できません。
自動返信を事前に予約できますか?
はい。開始日と終了日を設定すると、自動的にオンとオフが切り替わります。別の地域から設定する場合は、各フィールドの横にあるタイムゾーンを確認してください。
自分のアドレスから送信されますか?
はい。返信は設定されたメールボックスから送信されるため、受信者には元の送信先アドレスが表示されます。
共有メールボックスにも設定できますか?
はい。ただし、チームアドレスの自動返信は、チームへ連絡した全員に返答します。自社の対応可能状況を公に伝えることになるため、事前に検討してください。
すべてのプランで自動返信を利用できますか?
Starter 以上で利用できます。Nano には含まれません。