複数の組織と長く関わっていれば、複数のメールボックスを持つことになり、そのすべてが同じサービスにあることはほとんどありません。顧客から渡されたGmailアカウント、契約業務用のMicrosoft 365アドレス、選んだ理由を誰も覚えていない事業者上の古いアドレス、そして自分のドメインです。4社のメールを1つの受信トレイに集めれば、4か所を確認する必要がなくなります。
仕組みには外部アカウントを使います。別の場所にあるメールボックスをIMAPで接続し、そのメールを自分のメールと並べて表示します。この記事では、実際に得られる機能、解決できない問題、接続数を決めるプラン上限を説明します。
4社のメールを1つの受信トレイへ集める仕組み
別の事業者にあるメールボックスの接続情報を登録すると、一般的なメールソフトと同じ方法で接続します。フォルダーとメッセージが、TrekMailで管理するメールと同じ画面に表示されます。
重要なのは返信時の動作です。接続アカウントから送るメールは、TrekMailがそのアドレスを名乗るのではなく、元の事業者を経由し、その事業者用の送信認証情報を使います。事業者側が正しく設定されていれば、SPFとDKIMの認証を通し、DMARCのアライメントを保てます。認証とアドレスが一致しなければ、迷惑メールに入る可能性があります。
IMAPは標準化されており、一般的な事業者の接続情報はあらかじめ登録されているため、自動検出で設定の大半が完了します。アドレスとパスワードを入力すれば、サーバー名を調べる必要はありません。認識されないものは手動で入力できます。
実際に得られる利点
4社のメールを1つの受信トレイにする効果は、言葉から想像するほど大きくありません。同時に、実際に使うと想像以上に役立ちます。
確認場所が一つになる。最も分かりやすい利点です。朝は4つのタブではなく、1つの画面だけを見れば済みます。忙しい日に残り3つを忘れることもありません。
すべてを横断して検索できる。実務では、こちらのほうが大きな利点です。何かを合意したメールを探す前に、どのアカウントで受け取ったか思い出す必要がありません。
一組のフィルターを使える。接続アカウントごとに、機能も使い勝手も異なる各事業者の画面で個別設定するのではなく、同じルールを適用できます。
第二要素が一つになる。利用者はTrekMailに対して認証を行い、接続アカウントの情報はTrekMailが保持します。これは利便性であると同時に、検討すべき信頼の問題でもあります。詳しくは後述します。
問題の責任は引き続き外部事業者にある
ここを明確にすると、接続アカウントがTrekMailで管理するメールボックスと同じように動くと期待して失望することを防げます。
外部事業者の規則は引き続き適用されます。保存容量が満杯なら、メールはその事業者側でバウンスし、TrekMailでは変更できません。IMAP接続を制限していれば同期は遅くなり、送信上限があれば返信もその上限に達します。1つの受信トレイは読み書きする場所を変えるだけで、メールボックスを運営する事業者は変えません。
二要素認証を有効にしている場合を中心に、通常のパスワードではなくアプリパスワードを求める事業者もあります。低価格プランでIMAPを完全に制限する事業者も少数あります。後者には接続先がないため、回避できません。
利用を始める前に、削除の動作も理解してください。接続アカウントのメッセージを削除すると、外部事業者側でも削除されます。コピーではなく、実際のメールボックスを操作しているためです。通常は望まれる動作ですが、ときには予想外の結果になります。
プランごとの上限
外部アカウント数にはプランごとの上限があります。この方式が使えるかどうかを、ほかの条件より先に決める数字です。
| プラン | 外部アカウント |
|---|---|
| Free | 0 |
| Starter | 5 |
| Pro | 10 |
| Agency | 30 |
5件ならほとんどの個人に十分です。10件は複数の顧客関係を同時に扱う人に向いています。30件は、複数の役員を担当するアシスタントや、顧客の共有アドレスをまとめて読む制作会社など、他人のメールを扱うこと自体が仕事の人を想定しています。
無料プランには外部アカウントがありません。メール集約サービスとして使う予定なら重要な点です。自分のドメインでは受信できますが、外部のメールボックスには接続できません。
認証情報を預けるということ
4社のメールを1つの受信トレイで扱うには、それらのメールボックスを読める認証情報をTrekMailが保持します。この事実を説明せずに済ませるのは誠実ではありません。
自分のアカウントなら、TrekMailにメールを預ける際にすでに認めている信頼と同じです。顧客や勤務先など、他人が所有するアカウントでは別の問題になります。許可があると決めつけず、通常は確認すべきです。明確に禁止している組織もあり、後から発覚すると厄介です。
可能なら、アカウントの通常パスワードではなく、アプリパスワードを使ってください。単独で失効でき、アクセスできる範囲は事業者が決めます。所有者は各所のパスワードを変更せずに接続だけを取り消せます。一般的にも良い方法であり、この用途では特に重要です。
接続ではなく移行を選ぶ場合
接続が常に正解とは限りません。今後も無期限に使うメールボックスなら、通常は移行のほうが適しています。
アカウントが本当に自分のもので、別の事業者へ料金を払っているなら、永久に接続するより、メールを移して古いアカウントを閉じるほうが簡単で、速く、安価です。複数事業者を1つの受信トレイへ集める方式は、移せない、または移すべきでないメールボックスに向いています。顧客のアドレス、勤務先のアドレス、自分では管理できないサービスにひも付くものが該当します。
違いを決めるのは利便性ではなく所有権です。閉じられるものは履歴を持ってきたうえで閉じます。そのためにメール移行があります。閉じられないものは接続してください。
まず接続し、後で移行するのも妥当な中間案です。接続に追加費用はかかりません。そのアカウントを統合する価値があるかすぐに分かり、事前の推測ではなく、得られた情報を基に判断できます。
無理のない設定手順
複数事業者を1つの受信トレイへ集める際には、同じ実務上の注意点が繰り返し現れます。
- 最も利用量の多いアカウントから接続する。残りを追加する前に1週間使ってください。構成が合わないと分かるなら、一度で済ませるほうが安全です。
- 返信アドレスを確認する。各接続アカウントから最初に送るメッセージで調べます。誤った差出人情報で返信するのが典型的なミスであり、受信者にも見えます。
- 大きなメールボックスの初回同期には時間がかかる。IMAP経由で何年分ものメールを取得しており、速度は外部事業者が決めます。
- アプリパスワードの要件を確認する。接続が認証に成功してから止まる場合、ほぼ必ずこれが原因です。
まとめたいアカウントが個人用ではなく、同僚と共同で使うものなら、複数人が同じ認証情報で同一の外部アカウントへ接続するより、共有メールボックスのほうが適している場合があります。